67:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/20(月) 21:08:39.74 ID:/hzpnLfA0
「ねえ、桑田クンって選択は物理だったよね?……僕、教科書忘れちゃってさ。
もし二年生のやつ持ってたら、貸してくれないかな?」
「ありがとう。……えッ、僕の事覚えてくれてたの!?嬉しいなあ」
「じゃあ、改めまして……"超高校級の幸運"の、苗木誠だよ。これからよろしくね、桑田クン」
【桑田怜恩:Chapter0『始』】
気がつくと、冷たいパイプ椅子に座っていた。
あちこちから聞こえる息遣いに、やけに重く感じるまぶたを開く。
視界はぼやけて、よく見えない。おかしーな、オレ視力いいのに。
――オレ、今まで何してたんだっけ?
何か、すっげー怖くて、嫌な夢を見てた気がする。
でも今は、それよりオレ自身の状況を調べねーと。
桑田 (アタマ重い……つーか、体中がだりぃし、動きたくねぇ……)
それでも何とか体を起こして、あたりを見回す。
――体育館だ。
ステージの赤い幕に、希望ヶ峰学園の校章が入っているのが見えた。
最初はぼんやりしていたそれが、まばたきをするごとにハッキリした形になる。
桑田 「ここ、希望ヶ峰の体育館か……?」
そう、声に出した瞬間。
桑田 「――ッ、痛っ!!」
わき腹のあたりに、衝撃が走る。例えるんなら速球投手からデッドボールを受けたみたいな、痛み。
思わず手でおさえたそこを、めくってみる。……何もなかった。
桑田 「だよな。試合でもねーのに、こんなトコでボールがぶち当たるわけねーよな」
……
………
はは、と笑った、その時。
□ □ □ □ □
クワタくんが クロにきまりました
これより おしおきを開始します
□ □ □ □ □
桑田 「うっ、……あ、あっ…あ゛、ああああああああっっっ!!!」
それを『思い出した』瞬間、オレは叫んでいた。
次々に流れこんでくる映像に、耳を塞いでうずくまる。それでも、声は止まない。
□ □ □ □ □
『テメエ……どうしてそんなコトしやがった!!』
『あら、あなたのどこが正当防衛ですの?舞園さんの包丁を叩き落した時から、シャワールームで
刺すまでの間、あなたはわざわざ工具セットを持ち出したのですよ?その間、何度も思い止まる
機会はあったはずですわよ』
『はりきっていきましょう、おしおきターイム!!!』
□ □ □ □ □
桑田 (そうだ、オレは死んだんだ、処刑されたんだ!!
体中にボールを浴びて、全身の骨を砕かれて、内臓を潰されて……)
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