56:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/16(木) 18:10:55.05 ID:IXfYRWfn0
天気予報は大当たりだった。
午前中の間、しとしとと降り続いた雨が止むころ、俺たちは食堂に集まって話し合いをしていた。
左右田 「オレがいねえ間にそんな事があったんか!!?」
豚神 「江ノ島盾子……あれが絶望でないとすれば、当面の敵は蝕だけ。
俺達にとってはむしろ好都合なはずだが?」
日向 「苗木たちの話を盗み聞きしたりしてそれとなく探ってみたんだけどな、どうやら
江ノ島は、ただの"超高校級のギャル"らしい。絶望としての記憶は一切ない。
生まれてから今まで、ファッションに命かけてきた普通の女子高生ってわけだ」
澪田 「んー、じゃあ双子のお姉さんはどうなんすか?"超高校級の軍人"って人!!」
辺古山 「感づかれると困るから、遠目で探ってみたが……妹の言動に困惑しているようだ。
姉の方は、絶望としての性質と記憶を有していると見ていいだろう」
花村 「普通なら江ノ島さんの豊満な谷間に埋もれたいって答える所だけど、僕はあえての
戦刃さんで、硬いふくらはぎに挟まれたいな!!」
左右田 「オメーはぶれねーな!!」
狛枝 「で……これからどうするの?無害なら放っておいてもいいと思うけど……戦刃むくろが
余計な事をして、江ノ島の中の絶望を呼び起こすような事態になったら、それこそ困るよね」
終里 「今のうちにどっちもブッ[ピーーー]ってのはどーだ?」
日向 「生徒同士の殺傷は、校則で禁じられてるぞ」
弐大 「ワシらで代わる代わる監視すればいいだけじゃぁぁぁ!!!」
日向 「そんな事してみろ、戦刃に蝕を利用して殺されるぞ」
田中 「では……あえて"死地(デストロイ・フィールド)"に飛び込むというのはどうだ?」
ずっと黙って聞いていた田中の意見に、全員が固まった。
田中 「闇の意思と絆を育むということだ。仮に"絶望"としての性質が蘇ったとしても、
安らぎの記憶がその枷となってくれるかもしれない。……あくまで希望論だがな」
西園寺 「あの絶望ビッチと仲良くするってこと!!?」
小泉 「今はただのギャルなんでしょ?じゃあ、なんとか行けそうだけど……」
ソニア 「あ、あの…わたくしは、田中さんの意見に賛成です!」
日向 「ソニア、これは大きすぎる賭けだぞ」
ソニア 「だって、あの方は78期生の皆さんからも遠巻きにされているんですよね?
独りぼっちで、双子のお姉さんとも通じ合えずに……江ノ島さんも今、とても
恐ろしい想いをしていると思うんです。絶望の性質を持たないなら、なおさら……」
田中 「この恐怖を楽しめないと?」
ソニア 「はい……きっと今の江ノ島さんは、私たちと同じか、それ以上に心細いと思うんです。
いきなり怖がらせてしまいましたが、なんとか分かり合うことはできないでしょうか?」
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