日向「神蝕……?」
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57:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/16(木) 18:11:53.22 ID:IXfYRWfn0

俺は思い出していた。縄を解いた後、脱兎のごとく逃げ出した江ノ島の目じりに、
小さな涙が浮かんでいたこと。九頭龍によると「あいつの言葉に嘘はなかった」らしい。
考えるのは後でいい。今はただ……やれることを、やるだけだ。

日向  「分かった。じゃあ、江ノ島盾子と仲良くする。それを目標にして行こう」

左右田 「簡単に言うけどよお、江ノ島の中でオレらの株大暴落だろ?」

日向  「ソニア。お前の人当たりのよさに賭けるぞ。
     あとは澪田と……罪木だな。あの場にいなくて、なおかつ江ノ島が好きそうなタイプか……
     左右田、お前に男子代表を頼めるか?」

左右田 「はぁ!!?」

日向  「男子が混ざっている方が向こうも警戒しないと思うんだけどな……」

左右田 「うぐっ…わ、分かったよ!!お前の頼みなら聞かねえわけにいかねーしな!!」

半分ヤケクソだが、とりあえず左右田も了承してくれた。

日向  「みんな……悪いな、一貫性もない上に頼りにならなくて」

西園寺 「はぁー?いつからおにぃがリーダー面してんのー?」

日向  「……ごめん」

西園寺 「まあ……カムクラおにぃと違って、日向おにぃとは付き合い短いけど、
     遊び半分なら乗ってあげてもいいよー?」

日向  「例えるんなら、監禁事件の犯人も助けに来た警察も俺だったって感じだぞ?」

終里  「オメーはいい奴だって分かってっからいーんだよ!!」

ソニア 「はいっ。島でも希望ヶ峰でも、日向さんと私でラン[ピザ]ーです!」

豚神  「あんな大見得を切っておいて早々に脱落した俺の代わりに、よく真実まで辿り着いてくれた……
     俺は、そんなお前を"信じて"いるんだぞ。ありがたく思え」

澪田  「生きるのはもろともっす!!みんなで生き残って今度こそちゃんと卒業するっす!!」

日向  「みんな……!」

77期生たちの絆が少し強まった。
そして、窓の外に濃い霧が立ちこめた事で、外の世界が生きているのは真実だと分かった。

日向  (ここは"人類史上最大最悪の絶望的事件"が起きていない?
     パラレルワールドか、それともこの学園自体が……また分からなくなった)

日向  (でも、とりあえず脱出した後の世界が生きていると分かったのは嬉しいな。
     俺の好きだったラーメン屋、家、ゲーセン……全部、ちゃんとあるのか……
     ここを出たら、また……)

その夜の俺は少し前向きな気持ちで、眠りについた。


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