30:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/12(日) 19:15:29.50 ID:uk5v1yXc0
朝日奈 「あーあ、明日もあさっても、ずーっと蝕が来なきゃいいのになあ」
大神 「空島の影、学園に重なる刻――つまり、午前11時ごろから正午までの60分か。
その時間帯は要注意だな。一時限目の授業は午前10時から始まる。ちょうど終わる頃だな」
朝日奈 「さくらちゃんは、明日も予備学科に行くんだよね?」
大神 「無論だ。……どうした、浮かぬ顔をして」
朝日奈 「……ううん、やっぱりいいや。さくらちゃんには沢山話したいことがあったんだけど……
さくらちゃんが決めたんだったら、私は何も言えないや。
また、生きているさくらちゃんに会えただけで……それだけでいいよ」
かなり無理をしているのは見れば分かった。目じりに涙をためて言う台詞じゃないだろ。
しかし、俺が何か言う前に、朝日奈は「もう、私の見てない所で死なないで」と大神に抱きつく。
大神 「すまぬ……我は知らぬうちに、お主を傷つけておったのだな……」ポンポン
朝日奈 「約束だよ。今度こそ一緒に卒業しよう、さくらちゃん」ギュー
日向 (ますます俺たちの正体は言えないな……)
【寄宿舎】
日向 (えーと、マップによると……)
食堂を出て、向かいがランドリーと大浴場か。浴場の奥にはサウナ、廊下の突き当りには
男女のトイレ。反対側には二階へ上がる階段と、倉庫がある。
二階にはロッカールームと学園長のプライベート・ルームがあるらしい。
日向 「ええと、俺の部屋は……ここか」
『ヒナタ』と書かれたネームプレートを確認してから、ドアを開ける。
コテージに負けず劣らず広い室内には、大きなベッドが一つと壁に備え付けの机、棚があった。
窓からは外の景色も見えて、なかなか快適そうだ。
日向 「うわっ、寝心地最高!」ボスッ
日向 「本科の寄宿舎ってこんないい部屋だったのか……憧れてたけど、俺なんかが入っていいのかな」ゴロン
モノクマ『知らざあ言って聞かせやしょう!』ニュウッ
日向 「うわっ!!なんでお前がここに!?」
モノクマ『あっ、安心して!今回はボク、君たちを殺し合わせたりするためにいるんじゃないから!
言うなればあれだよ、Windowsの端っこに出てくるイルカ!あれみたいなもんだよ!』
日向 「お前みたいなヘルプはいらないぞ!」
モノクマ『つれないなあ、日向君は…あの常夏の島でくんずほぐれつ、アッツアツの夜を過ごした
仲じゃないか!』
日向 「モノケモノとの戦いをわざわざ誤解を招く表現に直すなよ!ていうか、お前を操ってんのって
誰なんだ、まさか学園長か!?」
モノクマ『中の人などいなーーい!!ボクはモノクマ、ゆりかごから墓場まで正真正銘のクマだよ!!!』
ひとしきり叫ぶと落ち着いたのか、モノクマは『まあいいから、ユーの電子手帳をごらんよ』と言った。
日向 「……"超高校級の???"だって?」
モノクマ『だって、日向君も一応は"超高校級の希望"でしょ?でもさ、袋とじって見えないからこそ
興奮するものでしょ?だから隠したの。ミステリアスな男子って素敵だよね……現実じゃ
たいてい詐欺師かDV男だけどさ。
あ、もしかして"パンツハンター"の方がよかった?』
ムカつく事を抜かしながらも、
モノクマは『キミだって、立派な77期の仲間じゃないのさ』と手(前足?)を広げる。
モノクマ『……国籍、民族、石油、資源、国境……文明から生まれた人間どもの下らない争いに、
"絶望"で終止符を打った、英雄の一人じゃないか』
日向 「――ッ!?」
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