日向「神蝕……?」
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194:名無しNIPPER[saga]
2017/07/14(金) 20:44:59.68 ID:sE0XGrgQ0


菜摘  「……嘘」

菜摘  「そんなの、嘘に決まってる!!!」

モノクマ「冬彦くんは、島での記憶と、外で生きてきた20年の記憶の両方を有している。
     いわばキミは、空想上の妹に偽の記憶を肉づけされた人形……」

菜摘  「ちがう、ちがう、ちがう、ちがう!!!」ブンブン

モノクマ「どうして自分には空島が見えないのか、不思議に思っていただろう?
     君という存在は、夢の主が九頭龍冬彦の記憶から作ったもの――つまり、文字と同質だから」

モノクマ「ヒトではない君は、常世と彼世を繋ぐ空島を認識できない」

菜摘  「黙れぇぇぇぇ!!!」ブンッ、スカッ

モノクマ「……これが現実なんだよ。そして、君の存在はすでに"揺らいで"いる」

菜摘  「なんっ…」

その時、気づいた。私の手が、また透けている。

モノクマ「身に覚えがあるようだね。……そう。九頭龍冬彦の記憶が、君の命の源。
     しかし、彼は少しずつ"現実"を思い出してきている」ズズッ…

ストンッ

モノクマがいた場所に、学園長が現れた。その手には、希望のカケラがあった。


学園長 「すでに九頭龍組がないことも……両親や叔父の記憶が嘘であったことも……
     君という存在が、いないことも。彼はたびたび、君の存在を認識できなかった」


その言葉に、私はハッと気づく。
私が見えているはずなのに、無視して通りすぎたお兄ちゃんのことを。


学園長 「九頭龍くんが"思い出す"につれて、君の存在は揺らぎ、やがて消え去るだろう。
     君は、"夢"の文字に還るんだ」

菜摘  「そんなっ…そんなの、いやだよぉ……」ポロポロ


ザアッ…

段々明るくなっていく視界。学園長の「可哀想に」という声が、聞こえた気がした。


◆◆◆◆


菜摘  「……」パチッ

そこは、元の空間だった。お兄ちゃんとペコは、まだ出てきてない。
ゆらゆらと髪の毛を揺らして、夢の主――母親が、私を見下ろしている。

夢の主 『我が娘よ、悲しいか。それとも怒っておるか』

菜摘  「……分からないよ。だって私、人間じゃないんでしょ。私が感じているこの感情は、」ポロッ

菜摘  「……この心も、あんたに作られたものなの?」ポロポロ

夢の主 『そなたが外で何を想い、何を得、何を感じたか……それまでは、妾の手では作れぬ』

菜摘  「そっか。じゃあ、それだけで、いい」グスッ

菜摘  「私、先に出てるね。おに…冬彦さんと、顔合わせづらいから」クルッ

夢の主 『すまぬ。我がそなたを作ったのは、ほんの戯れであった。……そなたの涙を、見るためではなかった』

パァッ…

◆◆◆◆



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