195:名無しNIPPER[saga]
2017/07/14(金) 20:47:56.66 ID:sE0XGrgQ0
どんな言葉をかければいいのか、分からない。
混乱しているオレに、菜摘は叫んだ。
菜摘 「そんなのっ……そんなの、嫌だよぉ……!!」ガバッ
桑田 「!!」
菜摘 「約束したもん!一緒に外に出るんだって!…っ、いっぱい、やりたいことあるの!!
私ッ……私、」ズルズル
菜摘 「消えたく、ないよ……!まだ、ここにいたいっ……」
本音を全部吐き出した菜摘が、オレにしがみついたまま大泣きする。
菜摘 「うっ……う、うわあああん……!!」
お兄ちゃんには言わないで、とか。人に会いたくない、とか言っているのを、
オレはどこか遠くで聞いていた。
◆◆◆◆
シュゥッ…スタッ
桑田 「あー、ひどい目にあったぜ。さすがヤクザ」コンコン
桑田 「よーっす、メシ持ってきてやったぞ。今日は塩パンに、サラダに、ラタトゥイユな。
デザートは苺のアイスだってよ」カチャッ
菜摘 「……ありがと」
ベッドに寝転がってる菜摘は、だいぶ透けて後ろの壁が見えていた。
透けてんのに食えるのかは謎だ。
菜摘 「……あんた、なんで私の世話してくれんの」
桑田 「いや、オメーがちゃんと飯食いに出てくるんならしねえよ?」
菜摘 「あ、そ……」
菜摘 「……」
菜摘 「私がいなくなっても、ちゃんとしなよ」
それが、九頭龍菜摘と交わした最後の会話だった。
204Res/358.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20