138: ◆XksB4AwhxU[saga]
2017/04/10(月) 13:13:42.38 ID:SAXN2eMT0
西園寺 「これ……なんなの?」ぺたっ
霧切 「この蝕は、寄生型……生徒に寄生し、文字の力を食らう蝕なの。文字は"母"よ」
西園寺 「母?」
霧切はホログラムを出して説明する。
霧切 「まず、裸の女が出てきたでしょう?あれが寄生型の蝕で"女"。それぞれが思い描く"理想の女性"の姿をとって
現れ、生徒たちを誘惑する……そして、顔の中から手を出してからめとる」
霧切 「すると、"女"は"胎"の中に生徒を引きずりこんで通常型の蝕である"母"へと変化する。
その中で、生徒たちは幸せな夢を見る……それを夢だと看破できなければ、文字の力を少しずつ食べられて……」
霧切の指さした先には、すでに受精卵まで戻ってしまっている生徒がいた。
西園寺 「……!!」
霧切 「ああなったらもう手遅れよ。"母"の中で永遠に幸せな夢を見続けるしかないわ」
西園寺 「そうだ、おねぇは……」
あわてて辺りを見回した西園寺は、小泉の眠っているカプセルを見つけて「おねぇ!!」と叩く。
西園寺 「おねぇ、起きてよ!!おねぇ!!」
霧切 「無駄よ。"母"そのものを破壊すれば、一心同体となっている生徒たちも同じように消えてしまう。
小泉さんが自力で夢から覚めるしか、方法はないわ」
西園寺 「だけどっ……あんたの文字、蝕の弱点が分かるんでしょ!何か方法はないの!?」
霧切 「一つだけあるけど……かなりリスキーよ」
西園寺 「教えて、小泉おねぇが助かるんだったら、わたし……」
霧切 「……」ふっ
霧切 「その心配はなさそうね。ほら」
ピシッ、と小泉のカプセルにひびが入った。幼稚園児くらいの姿まで戻っていた小泉が、目を開ける。
小泉の口が「ひよこちゃん」と動いた。
西園寺 「おねぇ、聞こえてるの……わたしだよ!目を覚まして!!」
ひびはどんどん大きくなって、元の小泉が転がり出る。とたんに"母"はしぼんで、すうっ……と消えていった。
小泉 「う……頭痛い……」ズキズキ
西園寺 「うっ、ううっ……うわあああん!!よかったよぉぉぉ!!」がしっ
泣いている西園寺の後ろで、隣り合ったカプセルに入っていた十神と澪田が出てくる。
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