137: ◆XksB4AwhxU[saga]
2017/04/10(月) 13:13:13.77 ID:SAXN2eMT0
扇の一閃。
操られるままに、祖母が壁に頭をぶっつけて動かなくなる。
西園寺 「家元の座に執着して……子供の食事に毒を盛って……婿養子のお父さんをいびって!!」
次に、母親がぐつぐつ煮えたった鍋に頭を突っ込んだ。
西園寺 「わたしの着物を破って……足袋に針を入れて……とても口に出せないようなことをたくさんしてくれて!!」
女中たちが、包丁で首をかき切る。
西園寺 「そのせいでわたしはこんなッ……こんな人間にしか、なれなくて!!」
何度も床に頭を打ちつける父親を、西園寺は荒い息をついて見下ろす。
西園寺 「ちがう……わたしが勝手に歪んで、勝手に人を傷つけてる……
辛いのはわたしだけじゃない、分かってんだよそんなの!!!」
西園寺 「でも、そんな生き方を選ばせたのはおまえらなんだよ!!」
西園寺 「おまえらがッ……もっと、ちゃんとした家族だったら……」
気がつくと、あたりは血の海になっていた。
動かなくなった家族に背を向けて、西園寺はつぶやく。
西園寺 「あのゴミクズみたいなやつらが、わたしの家族だよ」
西園寺 「だから、わたしは帰る」
スウッ……
そう口にした瞬間、西園寺は光に包まれた。
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西園寺 「…………」
西園寺 「……んっ…」ぱちっ
西園寺 「な、なによ……これ」
霧切 「あら、意外と早かったわね」
そこが校庭だと気づいた瞬間、西園寺は目の前の異様な光景に言葉を失った。
女。女、女。
巨大な裸の女が、何十体と立っている。彼女たちの腹は子宮を思わせる透明なカプセルになっていて、
その中で胎児のように、生徒たちが眠っていた。
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