日向「神蝕……?」
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120:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU[saga]
2017/04/05(水) 12:23:11.34 ID:pssxomK80

日向  「あいつは文字がないから、蝕には巻きこまれないってことだろ。扱いとしては小泉のカメラと
     同列なんだろうな」

小泉  「ちょ、千秋ちゃんをモノみたいに言わないでよ!事実かもしれないけど!
     そういえば、あいつ"夢の主"って言ってたっけ……」



『……知恵の回る奴らだのう。これでは張り合いがない』

『そなたらと遊んでもつまらぬ。どれ、出してやろう』


女の声と共にパアッと光が満ちて、俺たちは元の姿に戻された。
目の前に、三つの扉がある……。


女   『その扉の行き先はどれも同じ……されど、一人ずつしかくぐれぬ』

日向  「つまり、出口まではたった一人で行くしかないということか?」

女   『それもまた、試練ぞ』

左右田 「うう……こえーけど、しょうがねーよな……ん?」ギュッ

小泉  「千秋ちゃんは一緒に行ってくれるってさ」

日向  「じゃあ二人とも、学園でまた会おうな」ガチャッ

小泉  「うん。気をつけてね」ガチャッ

左右田 「……じゃ、あとでな」ガチャッ

ぱたんっ。

扉が閉まると、ひたすら真っ暗な空間が広がっている。足元は道になっていて、ずっと遠くに光が見えた。

日向  「……よし、行くか」

__________


霧切  「西園寺さん!その女に攻撃してはだめ!!」

必死の声に、扇を構えていた西園寺が「え」と目を驚きに見開く。巨大な女の手足にからまっていた糸が、
はらり、ひらりと落ちていった。

女   『ほう……あやつりの能力(ちから)か。なんとも味なものよの』

西園寺 「わたしの文字が……きいてない!?」

霧切  「その女は夢の主にして術者……文字の力がきかないの!下手に手出しをしたら……」

女   『せっかく妾の夢を味わわせてやろうと思うたに、水を刺しおって。……消えろ、小娘ぇ!!!』カッ


微笑んでいた女が、恐ろしい形相になった。両目はカッと見開かれ、
ゆらゆらと揺れていた髪が逆立つ。


霧切  「逃げて、西園寺さん!!!」

がたがたと震える西園寺は、女の髪がしなるのから目を離せないままその場に立ち尽くしていた。


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