日向「神蝕……?」
1- 20
108:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU[sage]
2017/04/01(土) 10:42:00.23 ID:fPDAiR9v0
日向  「今の声、罪木か!?」

保健室の方へ走る。負傷した生徒でごった返す入口をかき分けて中に入ると、血まみれの江ノ島が
ベッドに横たわっていた。

罪木  「江ノ島さん、しっかりしてください!…あなたが、あなたがいなきゃ、私……」

日向  「これは……一体「やられたの」……戦刃」

江ノ島の手を握る戦刃は、「盾子は、"魅"に制限時間があることを知らなかったの」と呟く。

戦刃  「盾子の文字は、敵を魅了する能力……だけど、魅了できるのは三体まで。おまけに
     制限時間があって……魅了した敵が多いほど、短くなる。私が気がついた時には、鬼の団扇で頭を……」

日向  「超高校級の分析能力……絶望時代のあれがあったら、一瞬で察したんだろうに」

罪木  「ううっ……」

肩を落とす戦刃の隣で、罪木は泣きながら文字を解放する。


"癒(いやし)"


右手のひらにハート、左手のひらに十字のマークが浮かび上がった。罪木の手から出る光が、江ノ島を覆う。
鬼にかち割られた頭の傷は少しずつ塞がって、血が止まる。しかし、体の修復があらかた終わっても、
江ノ島の目は開かない。それどころか……

日向  「こいつ、呼吸が止まってるぞ!」

罪木  「ど、どうしましょう……江ノ島さんの脈が、どんどん弱く……」

戦刃  「!?」ガタッ

日向  「何とかならないのか!?」

罪木  「わ、わたしの文字では体を修復するのが限界でっ…そ、それも完璧には無理なんですぅ!!はわわ、
     そんな事説明する暇があったら人工呼吸でもなんでもしろって話ですよねぇ……!!」

罪木が江ノ島の顎を持ち上げ、まさに口付けようとした所で。

ガラッ

保健室の扉が開いた。

九頭龍 「よお、罪木いるか?ちょっと肩入れなおして……って、江ノ島!?」

入ってきたのは九頭龍だった。鬼との闘いでダメージを負ったらしく、右肩をおさえている。
ベッドに横たわる江ノ島を見ると、つかつかと寄ってきて「江ノ島!!」と呼びかけた。

九頭龍 「……いつまで寝てんだ絶望キ〇ガイ!!起きやがれ江ノ島盾子!!」ユサユサ

日向  「やめろ!下手に揺するな!」

戦刃  「絶望キ…盾子ちゃんを馬鹿にしないで!!」

九頭龍 「テメエは最後の蝕が終わった後にオレがブチ[ピーーー]って決めてんだよ!!
     んなチンケな蝕で死んでんじゃねえ!!!」

瞬間。仄白い光が江ノ島の胸元にともった。びくん、とかすかに痙攣した江ノ島が、ゆっくりと目を開ける。

江ノ島 「……あせったー。おばーちゃんがお花畑で手振ってた」

罪木  「え、江ノ島さぁん……?」グスッ

江ノ島 「盾子ちゃん大復活!!なんちて…えっ、罪木センパイ!?」

罪木  「よかった……よかったです……!江ノ島さんが生きててくれて……」ギューッ

九頭龍 「チッ、悪運だけは強い奴だな」

江ノ島 「ちびっ子ギャングはあたしになんの恨みがあるわけ!?あと罪木センパイ、そろそろ
     離れいたたたた!!」

罪木  「はわぁぁ!!わ、私ったら嬉しすぎて力加減をまちがっ……ごめんなさぃぃ!!おわびとして好きな所に
     落書きしていいですからぁ!!」ガバッ

日向  「やめろ、脱ぐな!!」

江ノ島 「よーし、じゃあお言葉に甘えてそのパイオツに「お前も乗るな!!」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
204Res/358.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice