93: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2018/11/02(金) 09:26:46.64 ID:rlpAyYI4O
ギャル「いやほんとやる気のある新入生が来てくれて嬉しい限りなのよ」
相変わらずの満員電車の中。
女「はあ、そうですか」
どうやら先輩にはここがパブリックなスペースだという認識がないようで、
さっきからボリュームあっぷあっぷで話しかけてくる先輩がはっきり言ってうっとおしかった。
返事もおざなりになろうて。
そんな私の態度に気に入らないものがあるのか(あるんだろうな……)
先輩はつまらなそうに唇を尖らせると、
不意に、にこりと微笑んだ。
女「っ……!!」
私にはその微笑みがどうにも嫌なものに見えた。
不審に思おうがもう遅い。私が何か言う前にギャルは口を開いていた。
その速度はまさにかの大剣豪佐々木小次郎が繰り出すといわれる燕返しもかくやというほど。
それほど彼女の口から放たれた言葉は衝撃的で、そして――
ギャル「あたし、あんたみたいの好きよ」
破壊力に満ちていた。
女「は? ……はあっ!?」
ギャル「素直で、一生懸命で、おまけに正義感もある」
女「正義感……?」
ギャル「見てたわよ。一昨日、一緒にいたおどおどした子を痴漢から助けてたでしょ」
見られてたのか。いや見られてたからってなんだって話だが。
だが、先ほどの発言と相まってなんだか彼女には知られてはいけない気がした。
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