メイド「私の嫌いな貴方様」
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94: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2018/11/02(金) 09:27:56.90 ID:rlpAyYI4O
にやにやと口元を歪めながら私を見つめるギャル。

そのある種不快な口元を再度言葉の形に変えた。



ギャル「今度の劇に出してあげようか」



女「一年生は裏方だと聞きましたが」



ギャル「だからお誘いしてるの。出たいでしょ。昨日あんなに頑張ってたもんね」



なんだこの先輩は。 

後輩一人をえこひいきしたらどうなるかわからないのか。 

ほかの新入生がすぐには劇に出られないと聞いてつまらなそうな顔をしていたのを思い出す。お嬢様もだ。残念そうな顔をしていた。 


それなのに先輩に気に入られたから私一人だけ劇に出られるとなったらやっかみの嵐だ。

女子トイレで陰口とかされちゃうんだ。知ってる漫画で見た。



ギャル「ああ、ひょっとして劇に出ることでほかの一年にいじめられるんじゃないかと思ってる?」


女「ええそうですね。だから――」



ギャル「だったら大丈夫。誰にも文句は言わせないから」


ギャル「わたしの恋人になればいいの」



私は言葉を失った。






告白されてしまった。


意味が分からない。何で朝の満員電車で告白さえなくてはいけないんだ。

しかもまともに話したことのない先輩に。



お嬢様「ど、どうしたの、女!」



女「なんでもないよ」



心配そうな友達に手を振りつつ、今朝のことを思い返す。

電車内で告白されしどろもどろになり、はあとかええしか言えなくなった直後、電車は高校の最寄り駅についた。ギャルはニヤついた笑みを引っ込めると一転、さわやかな笑顔を浮かべ、



ギャル「良い返事を期待しているよ」



そういって先に降りてしまった。慌てて電車から降りると、もうホームに先輩の姿はなかった。


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