メイド「私の嫌いな貴方様」
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65: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2017/04/20(木) 06:58:43.70 ID:gWMWUC0H0

――――――。


これほど待ち遠しかった朝はない。それほどまでにブラブラ浮き足たつ。
身支度を整え、ちょっと多目に肥えた財布をポケットに押し込み、昨日のうちに時間割りを確認して教科書を詰め込んだカバンを引っ提げて、母と一緒に家を出た。

電車を一回乗り換えて、今は電車のシートに座ってガタンゴトンと揺られている。
少し少し学校に近づいている。そう思うとドキドキした。

お姉ちゃんにもう少しで会える。
ずっとずっと会いたかった人。
好きな――好きになるかもしれない人。


そんな人にもう少しで会えるなんて、嬉しくってたまらない!


気分はハイ、顔はにやけて……。


女「えへへ……お姉ちゃん……」

端から見たら気持ち悪いだろう独り言。でも、それがどうした。
おうそこの変な目で見てきたギャルの女学生、気持ち悪いと勝手に思っておけばいいさ。お前にも誰にも私の思いは止めることなんてできないんだからな。


気づけば、目的の駅がもう少し。
駅についたら、もう少しで学校。もう少しで会える――。


ふえぇ……頬が弛んじゃう。


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