メイド「私の嫌いな貴方様」
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60: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2017/03/31(金) 17:33:15.14 ID:raD0Fw7d0

お姉ちゃんに対してあるのは、憧れ。親しみ。
その感情等は、再会すれば満たされて、悲しさなんて消えるはず。

だのに――
悲しさを抱いているこの感情は――


お姉ちゃん「こらっ本当は分かってるのに、分からないふりしないの!」


こつんっ。と、頭を小突かれる。

驚いて目を見開くと、また驚くこととなった。

彼女は大人になっていた。場所も電車の中じゃなくて、教室に。
いつの間に彼女が大人になったのか分からない。自分は制服を着たまま……。

ずきりと心が痛む。
それは何故? 悲しくて。
何故悲しい? それは――


お姉ちゃん「今から簡単な質問をします! 是非素直になってね♡」

もったいぶった口ぶりで、そのうえ教師のように堂々とした態度で、お姉ちゃんは私に向き合った。


お姉ちゃん「女ちゃんが私に抱いている感情は――?」

女「……憧れと親しみ」


お姉ちゃん「ノンノン。それだけじゃないでしょ?」

嘘ついちゃめっ、と指を振る。

その姿にドキリと心臓が高鳴った。
お姉ちゃんの可愛らしい仕種にときめいたとかそんな俗物的な理由じゃない。
もう少しで自分の気持ちに触れてしまう。そう思ったから……。


お姉ちゃんはそんな私を無視して質問を続ける。


――何でわざわざ片道二時間もかかる高校に入学したの?

 それは、この町にいるとお姉ちゃんのことを思い出してしまうから。


――思い出してもいいじゃん。だってただ憧れてただけの人なんでしょう?

 ………………。


――大人になった私を見て悲しくなったのは何故?

 ……それは……知らない人になったみたいで……。


――変わっちゃってたらって思うのが嫌なんだ?

 …………うん。





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