メイド「私の嫌いな貴方様」
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59: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2017/03/31(金) 16:41:38.09 ID:raD0Fw7d0
目の前にいたお姉ちゃんは寸分違わず私が知っている姿のまま。
どこかおかしいなと思いつつも、深くは考えなかった。いや、考えようとすると頭のなかにもやがかかってうまく考えれなかった。


お姉ちゃん「どうしたの? 変な顔して……」

女「な、なんでもないよ……」

考え込んでいたのが顔に出ていたのだろう。
せっかくお姉ちゃんと一緒にいるのだ。訳のわからない違和感などゴミ箱にポイして楽しくお喋りしよう。

そう思って――


女「ねえ、お姉ちゃん……なんで帰ってこなくなったの?」

知っていたでしょ?
楽しくお喋り。そんなもの私の口からは出てこないって。


お姉ちゃんに対してあるのは、捨てされない恨み辛み。
捨てられたと。忘れ去られたと。帰ってこないお姉ちゃんを思って何度悲しみに沈んだか分からない。

届かない思い。一方通行の無意味な思い。

そんな思いのこもった問いに、お姉ちゃんは――


お姉ちゃん「何がそんなに悲しいのかな?」

質問に質問で返してきた。
予想外の問いに思わず閉口したが、閉じたついでに咀嚼して飲み込んだ。

――何が……何がって――っ?


答えのわかりきった問いに呆れを通り越して怒りが。
肩をプルプル震わして……ふと、何が悲しいのかと思ってしまった。


決まっている。帰ってこなかったことが悲しいんだ。
だったら、再開できたのに喜びはすれど、悲しむ必要はないんじゃない?


お姉ちゃんが私のことを忘れて、夢だった職業に夢中になっていたから?
再開て非難したときすまなさそうな顔をしてたよね。ということはお姉ちゃんも気にかかっていたんじゃない?


――ねえ……。

お姉ちゃん「悲しいのはなんでかな?」

はっとしてお姉ちゃんを見つめる。
その顔は嬉々として輝いていた。


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