メイド「私の嫌いな貴方様」
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147: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 20:28:06.13 ID:XWj0qJN60
 さてと、

女「時間もないから、手短に話すしますね」

女教師「う、うん……なんか緊張しちゃうね。こうやって女ちゃんと話したことなかったから」

女「そう、ですね。面と向かって話す機会がありませんでしたもんね」

 あるいは逃げてきた証し。

 深呼吸を一つし、切り出す。

女「正直、約束が守れないのはどうかと思います」

女教師「……ぅ、昔の約束よね。お盆の時は実家に帰るってやつ」

女「はい。……あと、約束破ったのにヘラヘラしすぎです」

女教師「……ごめんなさい」

女「あと、お気に入りの生徒だけにペットボトル差し入れたりして甘いのは、教師としてどうなんですか?」

女教師「……よくないね」


女「はい……」

女「――でも、嬉しかった」

女「再会できたこともそう。嬉しくて嬉しくて、学校に来るのが楽しみなくらい」

女教師「そっか……そっか! うんうん私も嬉しかったよ!」

女「でも、お姉ちゃんは変わってた」

女「私の知らないお姉ちゃんだった」

女「内気で、友達の作れなかった私にとって唯一だった、年上の友達」

女「それが、私にとってのお姉ちゃん。――先生、あなたでした」

女「憧れもありました、一緒にいて楽しいって思いもありました」

 目の前には真剣に話を聞いてくれているお姉ちゃんが。
 きっと、彼女は自分がこれから何を言われるかなんて欠片も想像できていないのだろう。
 それでも私の様子から大事な話だと思って、茶化したりはしてこない。

 そんな姿に逃げ出したくなる。
 だが、私はもう一人じゃない。支えてくれる友達がいる。

女「でも、一番大きかったのは、好意です」

女教師「好意……?」

女「はい――」

 心臓がバクつく。
 手が震えてしかたない。
 心がぎゅっと掴まれてる錯覚。


 でも、逃げたくない。


女「お姉ちゃん……貴方の事が好きでした」



 そうして、数年にも及ぶ長い片想いは終わりを告げた。





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