メイド「私の嫌いな貴方様」
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146: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 20:23:03.28 ID:XWj0qJN60

 気づけば予鈴五分前となっていた。
 途中、明らかに食べるペースが落ちたギャル先輩をつつき、なんとか山のようにあった昼食を平らげることができた。

ギャル「はあ、お嬢様ちゃん、次からはこんないっぱい持ってくるの止めてね。もし次もこうだったら、残すから」

お嬢様「あはは、女の退院祝いだからって作りすぎましたね」

女「ん、ありがと」

 私はお重を洗って返そうか気をきかせたが、お嬢様はそれを丁寧に断り、風呂敷に包んだ。

 私たち三人、揃って空き教室をでる。
 と、そこで……

女教師「あら、あなたたち、もう授業始まるから早く教室にいきなよ」

女「おねえちゃん……」

女教師「あ、女ちゃんもいる。……どう調子は?」

女「お陰さまで」

 残り少ない休み時間。
 友達と話して元気を貰って、今なら丁度いいかもしれない。

女「ねえ、先生。ちょっと、今いいですか?」

女教師「いま? もう授業だし、部活前の方が……」

女「いえ、すぐ済みますんで……それに、早く言っておきたくて」

女教師「ええっと……」


ギャル「……ふぅん。じゃあ、私たちは先に教室戻るから……ほらいくよ」

お嬢様「ちょっと、先輩っ」

ギャル「いいからいいから」

お嬢様「えぇ……」

 心配そうにこちらを見ていたが観念したのか、ギャル先輩に手を引かれるまま歩き出した。

お嬢様「先行ってるからね」

 そんな二人のことを手を降りながら見送る。
 ギャル先輩も、一瞬心配そうな顔して振り向いたが、止まることはなかった。
 ……なんだかんだで、空気の読める気のきいた先輩だ。



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