メイド「私の嫌いな貴方様」
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143: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 20:19:17.92 ID:XWj0qJN60
お嬢様「面会の時間、終わっちゃいましたね」

女「うん」

お嬢様「ここまで言っておいてなんですけど、話を聞くの明日になっちゃいますね」

女「うん。そうだね……ねえ、告白の返事だけど……」

お嬢様はそっと自身の唇に指を当てた。
それは、静かに、というジェスチャーだった。

お嬢様「今答えを聞いて、良いお返事だったら、弱ってるところに漬け込んだみたいじゃないですか」

女「……オッケーしてもらえないかもよ?」

お嬢様「だったら、尚更――」

お嬢様「私のこと好きになってもらってから返事を聞きます」

そう言って、ドアへと手をかける。

お嬢様「じゃあ、女、またね」

女「うん、またね」

手を降りながら見送るその背に、以前ではなかったものを感じた。

堂々としたその背。
自然と前に交わしたやり取りを思い出す。

女「場数、ね――」

それはお嬢様からどうやって自信をつければいいか聞かれたときのこと。
場数を踏めばいいと答えた気がする。で、ここのところで彼女が頑張る場面といったら私に絡んでいることが多かった。

というところで言うと私のために彼女は変わったんだ。

女「……」

自然、笑みが漏れる。
暖かいものが胸に広がるのを感じた。



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