140: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 20:16:26.52 ID:XWj0qJN60
お嬢様「お、おんな?!」
突然の大声に目をぱちくりとさせる彼女。
彼女から見たら落ち込んでいた私が突如として声をあげたのだ。
びっくりするのも無理はない。
でも、これだけは言いたかった。
女「告白を『こんなこと』なんて言っちゃ駄目!」
私自身、お姉ちゃんに告白しようとしたときに、緊張でおかしくなりそうだったから。
それを知ってるだけにお嬢様の発言は見過ごせるものではなかった。
女「お嬢様は、すごいよ……私はそれが言えなくてずっと逃げてたから……」
お嬢様「逃げてた……?」
女「うん……」
女「私ね、お姉ちゃんのこと忘れたくて、わざわざ何時間もかかるこの学校に来たの」
女「馬鹿だよね。そんなことで忘れられる訳ないのに……それに、結局再会してまた好きになっちゃって……また振られて……ほんと……」
女「馬鹿じゃないの……」
自分へと投げた嘲笑。
ここ最近の空回りし続けていた私にとってもっともお似合いな笑み。
おんなじ人を二度好きになり、告白すらせずに二度とも振られる。
まるでピエロ。
滑稽に思えて仕方がなかった。
お嬢様「でも……」
そんな私に心配そうに声をかけてくれる。
だけれど、その顔を見ることはできなかった。
自分でも自分のことを惨めだと思っている。
なのに、お嬢様――友達にまで憐れむような顔をされたら、立ち直れないんじゃないかと思うから。
女「でもも、テロもないよ」
女「馬鹿みたいに確率の低い賭けをして、案の定、惨敗。着の身着のまま逃げ出して、道端で倒れた大馬鹿者だよ私は」
おかげさまで色づいて見えた世界が、色褪せて見える。
恋をしているときは綺麗に見えたのに、今では息をするのもしんどい。
女「……そういうことだから」
時計をちらりと見やると、面会終了時間まで十分を切っていた。
ここらへんで切り上げるのが一番だ。
あとは寝て起きて調子を調えて、それで学校に行って私はおしまい。
幸いなことに告白はしてないから、気まずい雰囲気にはならないと思う。
このまま気持ちを捨てて、お姉ちゃんのいる学校に通って三年間を空費する。
それで充分。今はまだ、しんどさもあるけれど、きっと時間が癒してくれると信じて。
一刻も早く忘れるために、癒すために。
こんな自分に別れを告げよう――
女「お嬢様、今日は来てくれてありかとうね。さよな――」
ら。
お嬢様「ば、馬鹿なんかじゃありませんっ!!」
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