137: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 20:10:30.83 ID:XWj0qJN60
ギャル「……分かったようにいうね」
お嬢様「見てればわかります。そのせいで女は傷ついたんだから」
ギャル「……あの子が傷ついたのは自業自得というところもあるんじゃないかな」
お嬢様「かもしれません」
私は一歩も引きません。
お嬢様「私は女に立ち直ってほしいんです」
お嬢様「女のことが好きだから」
偽りのない私の気持ち。
ギャル「……」
先輩はなにも言いません。
ただ空を仰ぎ見ました。私にはその様は祈ってるように見えて……
ギャル「馬鹿みたい」
なんてぽつりと言っただけでした。
それきりうつむいてしまい、足は校舎へと。
お嬢様「せ、先輩……」
ギャル「そうだね、君の言う通りだ」
ギャル「私は、疲れてたんだろうね……」
ギャル「だから、あの子のことを求めた」
ギャル「本音を本音で隠して、傷つけて、振り回して、それであの子のことが手に入ると思ってた」
ギャル「……今だから言うけどね、女ちゃんとはもっと仲良くできると思ってた。だって、私たち鏡合わせみたいなんだもん」
お嬢様「それは……」
ギャル「そうだよ、たぶんそう。……散々、ご高説垂れてくれた君には悪いけど、真実はもっと単純――」
私の横を通りすぎる。
その顔は何を思ったのか、諦めに似た……けれど決して諦めではない――しいていえば受容したというのでしょうか。
ともかく、ある種のスッキリとした表情を浮かべていました。
ギャル「私は、女ちゃんに惹かれてたんだ」
歩みを止めることのない背を見送った。
お嬢様「あ……」
と、そこで忘れていたことがひとつ。
お嬢様「せ、先輩! 女の入院してる病院言ってない!」
ギャル「……カッコつかないなぁ」
先輩は困ったようにぼやいたのでした。
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