117: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2019/03/09(土) 19:50:21.86 ID:XWj0qJN60
先輩の告白に頭を鈍器で殴られたような錯覚を覚えた。
ギャル「私と同じ人を好きになって、私と同じような表情をして……でもね、気づいちゃった、それは私と“似た”なの。同じ“ような”なの。決して同じじゃないね」
ギャル「私とあなたの違いは一つ。輝いてるか、くすんでるか」
ギャル「だってそうでしょ。私には先生を楽しそうに笑わせることなんてできないし、例え先に一人で行っても一生懸命追いかけてきてくれる友達もいない。――一歩踏み出す勇気もない」
ギャル「羨ましいって思った。憧れた。あなたみたいになりたいって思った」
ギャル「でも無理だった。三つ子の魂ってよくいったものだわ。変われないもん、そうやすやすと」
ギャル「だから――だから、私は、あなたみたいになりたくて、でも、無理だから、代わりにどうしようか思い付いたの」
女「それが、付き合うですか……?」
ギャル「そう、私のものにしちゃえばいいと思ったの」
その言葉を聞いて、ああ、そうかやっぱり似てると思った。
だって、先輩……その考えは……
女「逃げたんですね、先輩は自分の気持ちから」
私と同じ。
逃避した先で別の何かに妥協すればいいだけの話。
だからか、だから私は先輩にイラついたんだ。
妥協で選ばれたのが感じとれたからイラついたんだ。
思えばレズと言われて思わず手が出たのも、まるで女の人なら誰でもいいと言われたみたいだったから。
女「私は、先輩のものにはなりません」
女「確かに私は一度逃げました。逃げた先にたまたま忘れたかった人がいて、気持ちを捨てるというところまでいきませんでした」
女「本当にたまたまだったんです。ひょっとしたら私も先輩みたいになってたかもしれません」
先輩に対する気持ちをあるいは同族嫌悪と言うのかもしれない。
女「先輩、悪いですけどあなたの気持ちには答えられません――だって」
女「――好きな人がいますから」
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