俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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827:1[sage]
2020/05/02(土) 21:34:09.07 ID:aExjX7YW0


「 ―――――――――――――― どうかしたんですか」


知らぬ間に部屋の入り口に立つすらりとしたシルエット ―――― 葉山隼人の姿を目にした瞬間、俺は思わず抱きついて快哉を叫びたくなってしまった。

慣れない長広舌を振るってまで時間稼ぎをした甲斐あって、どうやらやっと待ち人が現れてくれたらしい。


葉山「もしかして、お取込み中だったかな?」

部屋の中をぐるりと見回し、いかにも何気ない調子で誰にともなく尋ねる。

八幡「遅かったじゃねぇか。もう来ないんじゃないかと思ってたところたぜ」

半ば諦めかけていただけに、つい漏らしてしまう俺の恨み節にも、

葉山「どんな時でも、必ず期待に応えるのが俺だからね」

嫌味のない爽やかな笑みを浮かべながら応じる。

だが、憎たらしいことに、こいつがここにこうして遅れて登場して来てくれたおかげで、演出効果は弥(いや)が上にも高まっていた。

葉山が来ることまでは聞かされていなかったのだろう、虚を突かれたのものか鉄壁とさえ思われたははのんの顔にも少しばかり戸惑いの表情が浮かぶ。 

認めるのも癪に障るし悔しいが、やはりこいつは俺なんかとは違って根っからの主人公体質というヤツなのだろう。




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