俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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[sage]
2020/05/02(土) 21:29:32.44 ID:aExjX7YW0
雪ノ下母「本日は娘のためにわざわざ越しいただいてありがとうございました」
ははのんが再び腰を折るようにして、優雅な仕草で、ゆったりと頭を下げる。
敢えて言葉の続きこそ口にしなかったが、話は終わったからどうぞお引き取りを、とでも言わんばかりだった。
八幡「あ、いえ、でも、まだ ……… 」
陽乃「 ――――― 比企谷くん、往生際が悪いわよ」
既に勝敗の趨勢が見えていたにも関わらず、それでもなお食い下がろうとする俺を陽乃さんがぴしりと諫(いさ)める。
その目は、これ以上みっともない悪足掻きはやめなさいと告げていた。
雪ノ下母「雪乃、あなたには少しお話があります。 今日はこちらに泊まって行きなさい」
言葉こそ柔らかいが、娘に向けたそれは明らかに命令である。
雪乃「お母さん、私 ――――
それまでずっと黙っていた雪ノ下が初めて口を開く。母親に対する口答に慣れていないのだろう、縋るかのようなその声は震えを帯びていた。
雪ノ下母「 ――――― 雪乃。これ以上、お母さんを困らせないで頂戴」
そんな娘に対し母親は一顧だにせず冷たく言い放つ。そして、未だ席を立とうともしない俺に対し、
雪ノ下母「申し訳ないのですが、この後も所用があるものですから。もし差し支えなければ、帰りのお車はこちらでご用意をさせて ―――― 」
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