俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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2020/03/09(月) 01:47:05.06 ID:0yGjL3CR0
雪乃「 ―――― どういった風の吹き回しかしら?」
斜向かいの席に腰を下ろして程なく、雪ノ下が静かに口を開く。
手にした半券に目を落としているのを見て、それが観覧車のチケットを購入する際に俺が黙ってふたり分払ったことを意味していると気が付く。
八幡「 …… ん? ああ。こんな時は黙って男の方が出すもんだって、小さい頃からよく躾けられてるんでな」
雪乃「随分と古風なご家庭なのね。それとも、もしかしたら妹さんがいるせいなのかしら?」
八幡「いや、俺をそう躾けたのは小町なんだけどね」
雪乃「いつもふたこと目には“金がない、金がない”ってまるで口癖のように言っていたと思うけれど?」
多少押しつけがましいかとも思ったのだが、俺を見るその目が悪戯っぽく笑っているのを見る限り別に気分を害しているというわけでもないらしい。
しみったれた男だと思われるのもなんかアレな気がしたので少しばかり見栄を張る。
八幡「そのことだったら心配すんな。どうせ金の出処は隠してあった親父のヘソクリだし」
雪乃「 ……… 心配するなと言われてもそれを聞かされたら余計に心配になるのだけれど」
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