俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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622:1[sage]
2019/07/14(日) 23:36:10.19 ID:I8jB+if+0

三浦「 ――― あーし、隼人からどう思われてるんだろ」

不意に三浦がぽしょりと呟く。
それが俺に向けてのものなのか、単なる独り言なのかまではわからない。しかし、その意図するところは問うまでもなく明らかだ。

八幡「どうって、……… 何がだよ」

三浦「もしかしたらあーしも隼人からそんな風に思われてるだけなのかな」

自嘲気味に言いながらも、その声に微かな湿り気を帯びる。

そんな風とは、先ほど俺が口にした、“都合よく利用しようとしている”という言葉を示しているのだろう。

八幡「や、そんなこと …… 」

ないだろう、と言いかけてそのまま口ごもってしまう。あながち的外れとも言い切れないことに気が付いたからだ。

文化祭実行委員長であったあの相模南を例にとるまでもなく、三浦のポジションになり代わりたいと鵜の眼鷹の眼で狙っている女子はいくらでもいる。
だが、三浦が傍にいる限り、他の女子はおいそれと葉山には寄ってはこれない。
それはつまり、他人との間に常に一定の距離を設けようとしている葉山にとって格好の予防線の役割を果たしているということになる。

加えて、葉山が光輝けば光輝くほど、それだけ三浦に落ちる影、つまり彼女に対する嫉みややっかみは強くなる。

さすがに面と向かってということはないだろうが、見えないところで陰口や中傷、嫌がらせだってあるのかもしれない。
いかに気丈に振る舞ってはいても、そこはやはり年頃の女子だ。何も感じないということはあるまい。

果たして葉山がそこまで計算して三浦を傍に置いているのかどうなのかまではわからない。
しかし、時折垣間見せる葉山の冷淡さや酷薄さは、俺にとある女性を連想させることもまた、事実だった。

朱に交わればなんとやら。普通に考えて彼女から少なからぬ影響を受けてきたはずの葉山が、見かけどおり只の感じのいい好青年だけであるはずもない。




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