【ハンター×ハンター】逆風のヨークシンオークション その2【安価】
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154: ◆1WEjI0bkj6[saga]
2017/02/15(水) 21:20:56.43 ID:ETo2VNER0
――ヨークシンシティ内の、某ビルの一室。

ワンルームの狭い部屋の中で、一人の女がソファに座り本を読んでいる。

若くはなく、その顔には幾らかの皺が刻まれている。

ただ、彼女の纏う雰囲気、その所作の滑らかさは年を感じさせず
初対面の者には、三十代後半にも五十代近くにも見られた。

本当の年齢を知る者は彼女しか・・・、いや、彼女も本当の意味で正確な年齢は知らなかった。

彼女は、ノックの音に顔を上げた。

この時間の訪問客には、心当たりがあった。

「開いてますよ、ゲンドーさん」

「お邪魔します」

入ってきたのは、中年の男性。

一般人風に変装をしているが、その警戒心に満ちた目の配り方は、マフィアという彼の正体を現している。

「電話でもお話したかと思いますが、受けてくれますでしょうか?」

「断る理由なんかありませんよ。 いつもの通り報酬が頂けるなら受けます。 一応、確認したのは幻影旅団に流星街出身者が多いから?
 ターゲットの、団長もそうみたいね」

「ええ、流星街の内部の社会については、我々も詳しくは知りませんからね。 流星街との摩擦は避けたいというのは、上層部の考えにも
 あるでしょうが、幾らなんでも、こんな状況で引くつもりは無いようです。 メンツが丸つぶれになりますし、旅団の方も多分やる気ですから」

「まあ、そうでしょう。 マフィアっていうのは恐れられ嫌われてこそ、ですものね」

「ただ、あなたも流星街出身と聞いてますので、もしかしたら今回の依頼は断られるかも知れないと思っていました」

女は、軽く口角を上げ首を振る。

「問題ないわ。 私は、今そこまで流星街と縁があるわけでもないし・・・、確かに流星街は自分達を脅かそうとするものは
 何を犠牲にしてでも排除しようとする。 例えば、例の冤罪事件の報復みたいにね」

ゲンドーの頭の中に、流星街の恐ろしさを象徴する事件、冤罪で不当に三年間拘束された男の為に、三十一人の住民が自爆により報復したことが
浮かぶ。

「でも、その報復は、男が流星街出身ということで、正当な裁判を受けられなかったことに対するものみたい。 幻影旅団の件に関しても
 マフィアを襲撃した幻影旅団に対する、コミュニティー側の報復の範囲なら、旅団が自分で招いたって事で流星街は出てこないでしょう。
 見せしめの為に、旅団に関係のある流星街関係者を殺そうとまですると分からないけど」

「コミュニティーも流石にそこまではしないでしょう。 旅団を始末すれば、この件は終わりになると思いますよ」

「ならよかった。 さて、そろそろお仕事をしましょうか」


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