6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 23:45:08.01 ID:tTAn3URP0
◇◇◇
「わわっ!」
中途半端に履いた靴で駆け出すと、途端にバランスを崩してしまいます。
口にくわえた固形食が落ちそうになるけど、何とかくわえなおして駆け出します。
「おひゃようございまーす」
女子寮の入り口でお掃除をしている寮母さんに挨拶をすると、くすっと笑われてしまいました。ううっ、アラームさえちゃんとしていればこんな慌てないですんだのに。
電動バイクに乗ったお兄さんとすれ違うと、転がりそうになりながら大通りに出ます。
ここまで来れば、停留所まであと少し。
「まってくださーい!!」
いつもの停留所には、既に路面電車が停車していました。
なんとか駆け込むと、示し合わせたように路面電車は走り出しました。
大慌てな私と違って、電動式の電車は静かに道路を走ります。
「はあ……」
席に腰かけて、ようやく一息つきます。最新モデルの路面電車は揺れ音も小さくて、朝一番で全力疾走した私にはとても優しい。
窓の外の景色はいつもと同じ。空からの照明はちょうどいい気温で、油断したら二度寝してしまいそうです。
天候プログラムでは今日も快晴ですから、夜は歩いて帰ってもいいかもしれません。
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