新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
1- 20
91: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/02/12(日) 23:04:50.29 ID:nOJuozZtO

佐藤は首をくいっとかるく動かし、トランクのほうを示した。そこには大型のクーラーボックスが二つあった。バックドアからみて右側の奥に横向きにして並べて置かれている。市販されているものでは最大容量のもので、押し込めることができるのなら人間くらいならはいりそうな箱だった。クーラーボックスの蓋はぴったり閉じられていた。蓋の周りには灰色のダクトテープが何重にも巻かれていて、箱の中身いっぱいに液体が詰まっていたとしてもそれが漏れ出る心配はなさそうだった。


佐藤「操作のコツはもう掴んだかい?」
以下略 AAS



92: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/02/12(日) 23:09:48.61 ID:nOJuozZtO
章の途中ですが、今日はここまで。

デレマスの曲で佐藤さんにぴったりのやつがあるかなぁと考えた結果、「絶対特権主張しますっ!」が歌詞の内容的にすごい合うと思いました。


93:名無しNIPPER[sage]
2017/02/13(月) 11:14:47.08 ID:Fd/hLyVE0



94: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/02/14(火) 21:59:37.04 ID:16nzUkT/O
>>88 の文章が一部抜けてたので訂正


プロダクションからすこし離れたところに位置しているコインパーキングは、病気にかかったみたいな緑色をした街灯に照らされていた。光は、その駐車場に停めてある一台のワンボックスカーの運転席に座っている男の額にもあたっていた。オールバックにした黒髪が艶やかに緑の光線を反射している。男の眼つきは凶暴そのもので、解放されてからずっと眼に映る人間すべてにナイフを一突きしたくてたまらないようだったが、いまは眠気が瞼になっているみたいに眼を閉じかけていた。

以下略 AAS



95:名無しNIPPER[sage]
2017/02/17(金) 18:32:34.92 ID:e5tbNLGVo
期待


96:名無しNIPPER[sage]
2017/03/02(木) 15:45:32.45 ID:vL93/uH+o
期待


97: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/04(土) 23:29:21.45 ID:ULzdASnMO
更新遅くて申し訳有りません。いま頑張って続きを書いてます。

今日はとても驚いたことがあったのでそれだけお伝えします。たまたまYouTubeで見てたこのサイレント映画→(https://youtu.be/BVSFlSxNvLg /D・W・グリフィス『見えざる敵』An Unseen Enemy/1912)に、佐藤がフォージ安全社長の甲斐を殺害した方法そっくりそのままのシーンがありました。壁の穴からリボルバーが出てくるだけでなく、ドロシー・ギッシュの顔に銃口が向くシーンまであるんですよね。

オマージュか、偶然の一致かは分かりませんが。


98: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/04(土) 23:35:04.88 ID:ULzdASnMO
日本語字幕付きの動画があったので貼っておきます。
https://youtu.be/ITk2FkRdbcA


99: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 21:50:54.52 ID:NJ9NkxEDO
専務のセリフで明後日の会見とありましたが、明日の会見の間違いでした。脳内訂正お願いします。


七月二十四日午後二時三十八分

以下略 AAS



100: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 21:52:08.03 ID:NJ9NkxEDO

昨日事情聴取にやって来た巡査部長が早朝から、美波たちがプロダクションに着くより先に待機していた。巡査部長は口を苦々しくきつく一文字に結び、顔の筋肉のこわばりが唇に続く筋を頬に作っていた。巡査部長の唇は鮮やかな桜のように血色の良い色をしていたが、こわばりのせいで見えなくなっていた。事件を説明した巡査部長は美波たちに気になる点や怪しい人物を見なかったか質問した。プロデューサーが真っ先に事実を報告した。佐藤が現れたとおぼしき時刻、美波とプロデューサーにむけて語った会話の内容、ちひろが異変を報告しにきた途端に会談の途中にかかわらす切り上げ去っていったこと、これらを簡潔に事実とそうでない部分を峻別しながら質問に答えた。巡査部長はちひろと美波にも同様の質問をした。ちひろはプロデューサーが言ったことに間違いはないと答えた。美波は答えるのにすこし迷っていたが、事実を曲げるようなことは言わなかった。

話を聞いた巡査部長は、帽子の男の正体を亜人狩りを生業とする密猟者の一味ではないかと推測し、プロデューサーらに警戒をより厳重にするよう忠告し去っていった。プロデューサーとちひろも巡査部長の推測、すくなくとも帽子の男は危険人物と見なすべきだという意見に賛成だった。美波も、状況証拠が匂わせる容疑の濃さを認めざるを得なかったし、実際プロデューサーやちひろにほぼ同意していた。しかし、美波にはもうひとつの可能性を検討する必要があった。佐藤が事実を語っていたという可能性。佐藤は亜人で、亜人管理委員会は亜人の虐待を行っていて、世間はそのことに無関心だという可能性のことだ。



101: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 21:53:11.77 ID:NJ9NkxEDO

この可能性は、佐藤が警官の失踪に関係があるという推測と矛盾しない。むしろ、上記の理由がそのまま動機となり得た。その場合、弟を佐藤に預けるのは安全といえるのだろうか。ある意味では、安全といえるのかもしれない。だがその安全とは、確保するために身分を偽ることや、ことによったら人を殺す必要性がある類いのものだ。社会的弱者が権利を拡大するのに、暴力が主張を訴える手段として選択されるのはどんな社会においても為されてきた。それはテロリズムとは別の文脈で検討されなければならない(しかし、家族がその運動に参加するとなると話は違ってくる)。

極端なこといえば、亜人管理委員会か佐藤のどちらかを選択することは、社会か周縁か、どちら側の味方になるのかを表明することだった。亜人管理委員会を選べば、弟は実験体にされる。佐藤が語ったような生体実験の事実がなかったとしても、亜人は貴重な生物であることにかわりはないから、呼吸や心拍音ですら研究のために計測され記録されるだろう。亜人と発覚した者は、研究対象されることによってはじめて社会の内側に存在することを許される。



968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice