894: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:27:26.55 ID:kdA8uLchO
アナスタシア「ムリ……アーニャには……ムリです、ケイ……」
「誰がビビるかよ」と永井は言った。アナスタシアもその言葉を繰り返した。いまはもうそんな言葉は口にできない。佐藤の中身を知ってしまったいまでは……
……ケイはどうしてあんなことを言えたんだろう、ケイだってサトウの記憶を見たのに、それだけじゃなくて精神状態も……そうだ、ケイもアーニャと同じ、同じだけどアーニャと違ってケイは戦ってる、こわくても戦ってる……
……ミナミがこわがっているなら、わたしはミナミの手を握る、でもケイはそんなことはやってほしいと思ってない、わたしもこわがってるから手を握ってもケイはいやがるだけ、ケイがやってほしいのはわたしがやると言ったことだけ、わたしはケイにサトウと戦うとたしかに言った……
アナスタシアは変装用のウィッグを頭から剥ぎ取り、カラーコンタクトも外した。コンタクトを外したとき、レンズにたまっていた涙が床に溢れた。
袖の濡れていない部分で顔を拭う。ゆっくりと呼吸する。恐怖はまだじっとりと胸の奥にある。
アナスタシアは震える足でよろめきながら立ち上がり、トイレから廊下へ出た。暗闇に包まれた廊下を見て、アナスタシアはトイレのセンサーが作動していなかったことに遅れて気づいた。
スマートフォンを取り出し、廊下を照らす。階段が見える。
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