新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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878: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:01:50.08 ID:kdA8uLchO

その牙が真鍋の顔に喰らいつこうかという瞬間、もうひとつの黒い影が白煙から飛び出してきた。星十字が爬虫類にぶつかり、平沢の頭上を通り越しながらその斜め背後の壁に激突した。

アナスタシアのIBMは佐藤のIBMの両腕をがっしりと抱きかかえたまま前進し、入口の反対側のいちばん奥まった壁まで押しやった。

IBM同士の眼のない顔が向き合う。佐藤のIBMは口を閉じていた。口角はもう上がっていなかった。笑ってはいなかったが、ほかのどんな感情も現れてはいなかった。

アナスタシアは自身のIBMをさらに前進をつづけ、佐藤のIBMを分身と壁に挟んで圧迫させ、動きを完全に封じ込めようとする。動き回らせてはいけない、とアナスタシアは強く思った。膂力は等しくても、技術や駆引きではまったく劣っていると先ほどの攻防で思い知らされた。さらに時間的なハンデ。IBMを先に発現したのはアナスタシアのほうであった。星十字の頭部のほうがおそらく先に崩壊をはじめるだろう……

アナスタシアはIBMの両脚に力を込めさせた。鋭く尖った足の爪で床に引っ掻き傷がついた。

一歩踏み出したしたところで、前進が止まった。佐藤のIBMは壁に左足をつき、アナスタシアのIBMの前進を押し返すかたちで阻んでいた。偏平頭のIBMはさらに右側面の壁を蹴ることで両者の体勢を崩し、互いの身体をよろめかせた。床に衝突するさい、佐藤のIBMは身体を縛り付けているアナスタシアのIBMのその右腕を、拘束されているにもかかわらず身体を捻ることで床に向かって突き出し、ぶつかった衝撃を利用して消失させた。佐藤のIBMの左腕の半分もそのとき消え、くっついていた両者の身体が離れた。



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