新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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868: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:30:32.79 ID:SzhTzFDuO

IBM(佐藤)『プ……プレイ……ボール』


佐藤のIBMが発することのないはずの声を発した。

IBMは素早く身体を回転させ、年嵩の黒服の背中に右手を埋め込んだ。


黒服2「佐藤の……」


黒服の足が床から離れ、身体は宙に浮いた状態で柱に押しつけられている。年嵩の黒服は苦痛にあえぐ声で報告を続けた。


『IBMが……』

永井「自走……!」


黒服からの報告に永井が戦慄する。すぐに階段を駆け上がり、戸崎に向かって無線機越しに叫ぶ。


永井「戸崎さん! 完全封鎖しろ!」

『封鎖実行』

永井「封鎖が完了したら、誰にも解除されないようにシステムを破壊してください!」


ビル内の至る所で防犯シャッターが下り、ロックがかかる。


永井「あいつはまだかよ!」


永井は階段を駆け上がりながらどこか悲痛な感じがする声で叫んだ。
黒服からの報告はアナスタシアの無線機にも届いた。自走を告げられた瞬間、アナスタシアのIBMは射出された銃弾のようにプール室のドアに飛びついた。ドア越しに笑い声 ──『は、は、は』──が聞こえた。

自走を始めた佐藤のIBMは存分にみずからの力を振るった。年嵩の黒服をコンクリート柱に押しつけたまま、入口に向かって走り出す。


黒服2「真鍋! 消化器で煙幕を張れ!」


黒服が激痛を無視して叫ぶ。凄まじい摩擦によって額の皮膚が破れている。真鍋が消化器に飛びつく、IBMは黒服を床に叩きつける。肩から落ち、両脚が真上を向いた。年嵩の黒服は振り上げられたIBMの黒い拳を見て、言った。




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