852: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:09:21.01 ID:SzhTzFDuO
田中「女だからって容赦はしねえ。てめえは特にだ」
踊り場に突っ立ったまま、独白するような調子で田中がつぶやいた。
田中「十年……十年だぞ?……佐藤さんが来るまで十年間……おれは実験施設にいた……」
俯きながら身体を震わせて独白を続ける田中を下村は表情一つ変えず見下ろしていた。スーツのジャケットのボタンを外し、前を開ける、脇を圧していたショルダーホルスターが解放される。時間が差し迫っている感覚。
田中「てめえとエレェ違いじゃねえか」
下村を睨めあげた田中が怨みがましい声を出した。
田中「連中に色目でも使ったかよ」
下村「好きに言って」
八つ当たり的な挑発の言動を下村は意に返さなかった。
田中「あんな仕打ち、間違ってると思わねえのか!?」
下村「わたしは与えられた仕事を最後までやりたいだけ」
いらだちを募らせる田中とは対照的に、下村は冷静な態度を取り続けた。下村の黒い瞳は田中の苛立ちが復讐心によるものだけではないことを見て取った。
下村「ていうか」
別の理由による動揺、下村はそれを指摘した。
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