846: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:02:45.11 ID:SzhTzFDuO
永井「中野よけろ! こいつはおまえが嫌いだ!」
渦巻くように生成される黒い幽霊の肉体。永井のIBMは床を蹴って一直線に中野めがけて突進する。永井の言葉に頭だけ振り向いていた中野が敵意剥き出しのIBMを目撃する。中野が頭を仰け反らせる。その直後、さっきまで中野の頭部があった場所に永井のIBMが攻撃を打ち込まれる。田中のIBMがその攻撃をまともに喰らい、その頭部と突き出された腕が対消滅する。永井のIBMは突進の勢いそのまま前進を続け、崩壊する田中のIBMと中野を下敷きにして床に倒れた。
うずくまっていた女性社員は突然眼の前で展開された異常な出来事に慄いていた。声も出ないほどの恐怖、喉の強張り、中野が床に倒れたときやっとのことで、「ひっ」という短い悲鳴が口から洩れる。悲鳴に反応したIBMが黒い無貌を女性に向ける。腕を押さえている女性を見た瞬間、IBMは一切躊躇せずに残った左腕を振り上げた。
中野「あっ!」
咄嗟に田中のIBMの爪を掴み、頭上にあるIBMの顔にぶつける。死角からの攻撃がクリーンヒットし、永井のIBMは制御を失った操り人形よろしく背後に倒れた。
IBMの頭部の粉砕を確認した永井は、注意しつつ通路の角から顔を出し、仮眠室前に視線を向けた。 田中の姿はない。
永井「クソ」
永井は視線を中野に戻す。復活し、起き上がろうとしているところだった。
永井「中野、無茶すんじゃねえ! 断頭の話が理解できてないから、おまえは……」
永井はいらだたしげに中野を怒鳴りつけた。
中野「あの話はよくわかんねえけど、とにかく死ぬんだろ?」
めまいでも起きたのか、目元を手で押さえながら中野は静かに言った。一息ついてから起き上がり、永井と視線を合わせた。
中野「死ぬってことがどんなことかってくらいは、わかってるよ」
永井は何も言わず、中野を真っ直ぐ見つめ返した。
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