847: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/25(月) 00:03:59.91 ID:SzhTzFDuO
電力の復旧の目処はまだ立たない。戸崎は永井が田中を見失った瞬間、復旧と同時に佐藤の居場所を見分けられるようにとモニターを見上げつづけている下村に向かって指示を出した。
戸崎「下村君、行け。十五階へ向かう佐藤を階段で待ち伏せし、一体でも多くのIBMを消費させるんだ」
下村「戸崎さん、ここに佐藤が来るかも……」
椅子から立ち上がりかけたところで、下村が戸崎にもしものときのことを訊いた。
戸崎「行け」
戸崎の命令に下村は真っ直ぐサーバー室から出て行く。イヤホンを耳に付け、永井に指示を仰ぐ。
下村「永井君、北・南、どっちの階段に行けばいい?」
永井「わからない!」
率直な答え。佐藤は田中たちと別行動を取っているのか、それとも田中と合流し暗殺にむかっているのか、情報の錯綜はいまだ解消せず、判断の根拠はほとんどない。
中野「ヤマはるしかねえぞ」
永井「二分の一だ」
下村「じゃあ、わたしは近い北階段へ行く」
下村は現在位置から判断を下した。
永井「中野! 僕らは南階段で行くぞ!」
二人は階段に向かって走り出した。廊下を駆け抜けている途中、中野が永井に訊いた。
中野「永井! いまはどんな作戦だ!?」
永井は走り続けた。返事をするまですこし間があった。永井は、狭まった喉からやっとのことで絞り出したような苦渋に滲んだ声で言った。
永井「こんなの、すでに、作戦じゃない」
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