836: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:50:34.67 ID:6D6vTS+OO
IBM(佐藤)『田中君たちが捕まってしまって、このままじゃいずれきみの関与がバレるよ。そこでコレだ』
背後の何者かがデスクの上に何か物を置いた。暗くてよくわからないが、黒い塊からアンテナのようなものが伸びている。
IBM(佐藤)『警察と警備員の無線機。これで嘘の、私の位置情報を流し続けて欲しい』
口を塞いでいた手が青島から離れた。手が闇の中に退いていく。その際、手は青島の?にメッセージを残していった。
IBM(佐藤)『じゃあ、お互いがんばろう』
声が聞こえなくなってしばらく、青島は?の切り傷から血を流したままにしていた。詰めで引っ掻かれたような薄い切り傷。デスクには二個の無線機が紛れもなく存在している。
青島の内心は拒否の気持ちでいっぱいだった。それをやってしまったら、もう言い訳できない。完全な共犯だ。そんなことになったら……
青島は気づいた。すでにもう、そうなのだ。後戻りできるタイミングはとっくに過ぎ去っていた。いや、そもそもそんなタイミングはなかった。内通を持ちかけれた時点で、選ぶべき道はひとつしかなかったのだから。
もはや、降りることは叶わない。
青島は無線機を手に取り、席を立った。
誰もいないところまで移動し、無線機にむかって嘘を言い始める。
佐藤に暗殺を成功させるため、青島は必死になって嘘をまくし立てる。
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