823: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:34:01.20 ID:6D6vTS+OO
中野「永井、なんか食べもの持ってねえ?」
永井は考え深げな様子で中野を無視した。
中野は永井が呼びかけに応じないのに慣れてしまったので、どうにかして空腹を誤魔化す方法を自分で考えることにした。胃の中には胃液があることを思い出し、それを意識することで空腹を感じずに済むのではないかと思いついた中野は胃液がたっぷり分泌されているところを想像して、空腹によるキュっーとする痛みににた感覚が胃液のせいではないかと思い始めた。
中野をよそに永井はじっと腕組みして動かないでいる。そのとき、戸崎が無線越しに呼びかけてきた。
『永井、一時間以上待ってるぞ。仕切りなおすべきじゃないか?』
応えはなかったが、戸崎は永井が考えを巡らせている気配を感じた。熟考になりそうな気配、戸崎は別の角度から疑問をぶつけることにした。
『さっきは聞く時間がなかったが……おまえの介入を佐藤が知って楽しいことが待ってるなんて思うのか? 佐藤にとっておまえは何でもない』
永井は、戸崎の疑問に対し、しずかな声で、思い出を語るときのように話し出した。
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