813: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/03/24(日) 23:24:08.79 ID:6D6vTS+OO
本来ならそこで悪夢は終わるはずだった。あるいは、カーター氏の個人的な悪夢としてときおり思い出される程度のものとなるはずだった。
「だが、神は彼に……第二の戦場を与えてしまったのだ」カーター氏は消え去るような声でつぶやいた。
「亜人」と、戸崎が語り継いだ。
「もうその戦いに終わりなどない」
そう言ってカーター氏は述懐を終了した。
カーター氏の述懐は永井が抱いていたある予感を再確認させる類の話だった。つまり佐藤はたのしいから殺しをしているという予感、つまりたのしくなければ殺しをしない、そしていま佐藤はたのしくなくなってきている。
佐藤のきわめてシンプルな個人的感情へ対応しなければならないなんて。永井はみずからの合理性を放棄したくなった。
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