新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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779: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 22:14:58.28 ID:ymR8HEsBO

 そう言うと、永井は中野に振り返り、天井に備え付けてある監視カメラを指差した。指差した手は胸のまえに掲げて、監視カメラからの視点では背中に隠れてみえないようにしていた。

 永井は身体の向きをもとに戻し、歩きながら根拠を説明した。


永井「敵はまず絶対にセキュリティ・サーバー室を取りにくる。ここを陥とさず進攻するのは不可能だからだ。すこしでも異変が起こればサーバー室は陥ちたと考えて動くべきだ」

中野「じゃあこんなところで油売ってていいのか?」

永井「中野、要撃はとっくに始まってるぞ」


 真剣な言葉を発した直後、永井の表情はあっという間にゆるんであきれ顔に変わった。


永井「ていうか、作戦要項にかいてあったろ。そんなんでよく従ってられるな」

中野「おれはバカだからなあ」

永井「あ?」


 そんなことはとっくに知ってる、だからなんなんだ。そういったいらだちを浮かべながら永井はちらと顔だけ中野に振り返った。


中野「ただ、これが佐藤を倒すベストなんだろ? 」


 中野は永井の態度を気にせず(気づいていなかったのかもしれないが)、単純な確信をとくべつ感情も交えず口にした。


中野「おまえが言うんだから」


 永井はなにも言わず前に向き直った。機械室のすぐ前まで来ていた。



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