780: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 22:15:48.46 ID:ymR8HEsBO
永井「ここからは仕事柄おまえのほうがくわしい」
ドアノブに手をかけ、ドアを半開きにしながら永井は振り返り、中野の顔に眼をあわせ、言った。
永井「頼んだぞ」
機械室のなかに入る。つけっぱなしの空調設備の作動音が耳を聾さんばかりにがなりたっている。壁から天井にかけて無数のダクトが繁生した蔦のように張り巡らされていたが、床はきれいなもので定期的に清掃が行われていることがうかがえた。通路がわかりやすいように黄色いラインの内側がグリーンに塗られていた。
中野は機械室を見渡して言った。
中野「だれもいねえな」
永井「銃声とかで仕事どころじゃなかったんだ」
空調制御盤を見つけると、中野は蓋を開けて器機の操作スイッチがどのようになっているか眼で確認していった。中野の作業を待つあいだに永井は戸崎に無線で連絡を入れた。
永井「聞こえますか、戸崎さん。最大の標的が来てないようです」
『そうか。なにか案はあるのか?』
永井「はい。佐藤を引きずり出す。現行の作戦は続行。このまま田中たちは捕獲します。が……」
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