762: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 21:47:42.66 ID:ymR8HEsBO
奥山「この配線じゃノイズで速度が二十パーセント落ちるよ」
蓋が開けられたサーバーの内側を見ながら奥山が言った。
不備を一目で見抜いた奥山の知識に現場の上司と同僚がかるく感嘆する。奥山は仕事に就いて早々、動作に違和感をおぼえ、サーバーの配線を確認すると言い出した。奥山は仕事を行うにあたって、システムをベストなコンディションにしておきたかったのだ。
フォージ安全社員1「青島さんもたまにはいい人材引っぱってくるじゃん」
フォージ安全社員2「それ言っちゃかわいそう」
背後から不意につぶやかれた内通者の名前を聞き流しながら、奥山は腕時計を見た。デジタル式の文字盤が午前十一時十五分と標示していた。
奥山「ちょっとどいて」
奥山は杖を片手に立ち上がり、あたりを見回した。シュレッダーを見つけると奥山は床に座りこみ、シュレッダーのゴミ箱の蓋を開けた。中には裁断された紙の束が山になってつまっついた。奥山は胸ポケットからライターを取り出すと下カバーを外し、それから底にあるオイルの栓をゆるめた。
フォージ安全社員1「なにしてんだ奥山?」
床に座る奥山に上司が不思議そうに話しかけた。
フォージ安全社員1「一服なら一緒に行こうぜ」
奥山「いや、吸う人じゃないから」
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