727: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:31:40.47 ID:jiMS7eDVO
「来いよ。佐藤」
永井は佐藤に宣戦した。ミニガン・ターレットが獰猛に吼え、ヘリポートが剥がれ散り、ビルの上部が喰い千切られる。永井の身体もばらばらに吹き飛ばされる。だがその直前に走馬灯、またも時間の分割、痙攣、細かな震動の刹那の合間に存在する停止、そこに佐藤の“表情”が見えた。
728: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:33:09.73 ID:jiMS7eDVO
だれか私にこう言った者がありますよ──それがだれだったかはもうおもいだせまんけれどね──、朝目がさめて、少なくとも大体のところで、すべてのものが動かされずに、ゆうべ置いてあったとおりの同じ場所に置いてあるのを見つけるのは、なんといってもすばらしいことだ、とね。なぜといって、睡眠中と夢のなかでは、人は少なくとも見かけたところ、起きているときとはまったく違う状態にいたわけですからね。まったくその男が言ったとおりなんですが、目をあけると同時にその目ですべてのものを、いわばゆうべ置きはなしにしておいたのとおなじ場所にとらえるというためには、無限の沈着さがいることですし、沈着さというよりは、むしろ機敏さのいることなんです。ですから目のさめる瞬間というのも、一日のうちでいちばん危険な瞬間なのだ、自分のいた場所からどこかへ連れ去られて行ったりはしないで、その危険な瞬間が克服されてしまえば、人は一日じゅう自信を持っていられる、というわけなんです。
729: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:34:30.51 ID:jiMS7eDVO
──九月十三日
デスクの上にある社用のノートパソコンが警報を報せた。
730: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:35:48.83 ID:jiMS7eDVO
火災警報装置の作動から一時間ほどが経過した。
フォージ安全ビル正面の道路に一台のバンがあった。二時間前にエンジンが切られ、停車したきりで誰も乗り込まず降りてこずの状態だったバンのドアが突然開いた。
731: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:37:50.81 ID:jiMS7eDVO
警官「あ!」
警官は肩の無線に手を伸ばした。
732: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:52:46.71 ID:jiMS7eDVO
今日はここまで。
前回の更新の時に来週には更新しますといっていたのに、遅くなってしまい申し訳ないです。
>>706
733:名無しNIPPER[sage]
2018/11/04(日) 23:05:44.74 ID:epLBYzTr0
おつー
前の永井Pなコメディ短編も面白かったからハロウィン期待してる
734: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/07(水) 23:07:28.41 ID:vr0r0Ve5O
予告したいたハロウィンネタのおまけを投下します。
本編との時系列や整合性はかなり適当
735: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/07(水) 23:08:19.11 ID:vr0r0Ve5O
「トリック・オア・トリート」
部屋に入ってきた四人が声を揃えて言った。
736: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/07(水) 23:09:59.37 ID:vr0r0Ve5O
アナスタシア「これ、お菓子、ですか?」
永井「お菓子だろ」
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