新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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729: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:34:30.51 ID:jiMS7eDVO

 ──九月十三日


 デスクの上にある社用のノートパソコンが警報を報せた。


戸崎「セキュリティ・サーバー室で火災警報……」


 火災の検知と同時にガス噴射装置が作動し、二酸化炭素ガスがサーバー室の消化を開始した。火災の規模は小さく、火はすぐに消しとめられた。

 戸崎はパソコンを見ながら、思案した。待機を始めてから初めての異変。


平沢「被害が出るほどの規模じゃないな。誤作動ということもあるらしいしな」


 デスクに近づいてきた平沢がパソコン画面を覗きこみながら言った。

 微妙な異変だった。異変の規模こそ小さいが場所が場所だけに違和感がある。確かめないわけにはいかない。しかし大きく介入すれば、秘密裏にしていた自分達の存在が露見しかねない。どの程度の措置をこうずるか。一同は戸崎の判断を待った。


永井「みなさん、配置についてください」


 突然の指示に全員がソファに視線を向けた。永井が肘で上体を起こした格好をしている。顎が肘掛けの上にのせている。永井はのっそりと身を捩らせ、顔をあげると、静かに確信を込めた一言を口にした。


永井「来るぞ」


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