731: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:37:50.81 ID:jiMS7eDVO
警官「あ!」
警官は肩の無線に手を伸ばした。
田中は警官の手が動くと同時にショットガンの銃床を肩にあて、狙いをつけ、引き金を絞った。
警官の口と右手が吹っ飛んだ。
銃声に怯え逃げ惑う人びと。悲鳴が沸き起こり、しだいに遠ざかっていく。
田中たちはフォージ安全ビルへと突き進む。
ビルの前ががらんとした空白地帯になる。人の賑わうオフィス街にぽっかりと無人の空間ができる。警官の欠けた喉からひゅーひゅーと濁った呼吸音が漏れ出す。警官の眼は青い空と白い雲、天を衝く高層ビルを捉えている。やがて見えている景色がだんだんと暗くなり、耳に聴こえるざわめきは遠くなった。警官自身がたてる音もちいさくなってゆく。
奇妙なほどしんとした静けさが漂うその空間には、口のない死体だけが残されていた。
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