725: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:27:22.78 ID:jiMS7eDVO
中野は膝まづいて側溝にぽっかり空いた暗闇に眼を凝らした。眼が形を判別すると、手を伸ばし闇のなかを探る。指がスマートフォンに触れる。
側溝から取り出し、おそるおそる起動させる。パッと画面が明るくなる。傷ひとつない。中野とアナスタシアは安心と感嘆が入り交じった声をあげる。
「おおー」
その様子を見ていた永井がこぼす。
永井「幽霊使えばよかったのに」
ふたりして「あ」と、感心と間抜けさが混じった声を出したところでアナスタシアは顔をあげた。時計を見ると、ベッドから這い出したときより二十分ほど時間が経っていた。
どこからが思い起こした記憶でどこまでが夢なのか、アナスタシアには判然としなかった(“断頭”のことを聞いたのはたしか、スマートフォンを窓の外から投げたかどうかはわからない、永井だったらやりかねないだけに余計にわからない)。
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