新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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723: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/11/04(日) 21:23:33.66 ID:jiMS7eDVO

中野「おい、ケータイ見つかんねえぞ」


 中野が助手席の側に寄ってきて、永井に話しかけてきた。


永井「あるだろ、そこらへんに」

中野「おまえも探せよ」

永井「めんどくさい……」


 永井は自分のしたことなどすっかり忘れたかのように気だるげにぼやいたが、シートの背もたれに背中を深く預けた姿勢でポケットからスマートフォンを取り出すと、アスファルトの上だかどこかに転がっているはずの中野のスマホに電話を掛けてみた。

 着信音が鳴り響いたが、位置まではわからない。画面が光っているはずなのたが、射すようなブルーライトの眩しさも眼に写らなかった。結局、三人は車から降り(アナスタシアがなんとか永井を降ろさせた。そのときの永井は渋々としていた)着信音に耳をすませるとその音はこもって聴こえ、音がするところに近づくと側溝を覆うぶ厚いコンクリートふたの隙間から光が洩れ出していることにきづいた。

 中野はさっそくふたを持ち上げにかかった。ふたの重量はかなりのものだったが、持ち上げられないこともない。だが、ふたの持ち手、つまり隙間は片手の指が四本入るか入らないかくらいしかあいておらず、渾身の力を込めてもふたを側溝からどかせられるほどはあがらなかった。



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