新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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64: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:58:43.00 ID:8ENUCYV1O

専務室の見事なくらい磨かれた床は光を受けて白く光り輝いていた。天井の明かりが部屋を満遍なく照らし出し、一目で高級品とわかる黒のビジネスデスクやパソコンモニターの反射しているところが白い斑点のようになっている。美城専務がページを繰っているホッチキス留めされた会議用の資料も例外ではなかった。さらさらした紙の上に黒くはっきりした文字が濃く印刷されている。

資料には亜人関連法案の概要と、それにもとづいた対応策の提案、事態解決までプロダクションがとる措置の指示などが書かれていた。ネットからひろった新聞記事をプリントアウトしたものもある。

記事は亜人の家族や友人知人に対するインタビューを集めたもので、オーストラリアの白血病で息子を亡くした母親、中国の交通事故で弟に死なれた兄、イギリスの暴動に巻き込まれ父親を失ったティーンエイジャーの娘、アメリカのコンビニエンスストアを営む夫を目の前で強盗に殺された妻、シエラレオネの同じ部隊の戦友の脳みそが顔にかかった元少年兵など、インタビュイーは国も年代も性別も様々だった。かれらの共通点はふたつ。愛する家族や友人を喪ってはいなかったという点、もうひとつは家族や友人を奪われたという点だった。

プロデューサーがデスクに座る専務に歩み寄って言った。ひかえめな一歩のせいで身体の大きさに比してわずかに頭部の影がデスクにかかった程度だったので、プロデューサーが口を開くまで専務はなんの反応も示さなかった。


武内P「専務、やはり私は新田さんを会見に出させるのは反対です」

美城「きみの意見は聞いていない」

武内P「聞いてください」




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