636: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:05:51.72 ID:Wqc3ZOPPO
その赤い自動車を見た瞬間、アナスタシアの記憶が刺激される。視覚の記憶は内側に、それだけでなく、耳で聴き、口で話し、舌で味わったことも思い出す。
いやまさか、と記憶を疑う。だってあの永井圭がこんな目立った失敗をするはずが……
テレビではアナウンサーが報道中の映像に説明を加えていた。
──運転しているのは失踪中の亜人、永井圭との情報もあり──
アナスタシア「ハァ!?」
みく「に゛ゃ!?」
アナスタシア「Ой (オイ!)」
アナスタシアの仰天に前川みくが仰天し、アナスタシアがさらに仰天しスッ転んだ。みくは麦茶のはいったグラスを落とした。プラスチック製だから割れはしなかったが、カランと響きのいい音をあげ、中身が床に広がった。みくの紺色のソックスの先に麦茶が染み込み、そこだけ黒っぽくなった。
みく「あ、あーにゃん……? だいじょうぶ?」
アナスタシア「アァー……ミク、アーニャ、出かけます!」
みく「えっ、どうしたの?」
アナスタシア「忘れもの!」
ラウンジから駆け出したアナスタシアはそのまま玄関のスニーカーをひっ掴み、靴も履かずに外に飛び出した。
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