新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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635: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:02:08.71 ID:Wqc3ZOPPO


アナスタシア「え、あの、もしもし?」


 何度かけ直しても向こうは通話中で、その日は二度と永井につながることはなかった。アナスタシアは拍子抜けしたような、あきらめたような気持ちで、階下へ向かった。ともかく、言いたいことは伝えた。何をどうするか具体的なことはぜんぜんわからないが、それは永井に任せるしかない。覚悟を決めたのに、戦う覚悟を決めたのに、なんとも情けないありさまだと思うが、しかし、テロリストの潜伏先なんてぜんぜん見当がつかないのだから……それしても、最後の語尾くらい言わせてくれても……

 そこまで考えたとき、アナスタシアは永井がなぜ焦燥していたのか理解した。

 ラウンジのテレビがついていた。コの字型に配置されたソファにはだれも座っておらず、スクールバックだけが置かれていたので、学校帰りのだれかが飲み物でも取りに行っているのだろう。つけっぱなしのテレビから画面のくすみと揺れを含んだ生中継の映像が流されている。ヘリコプターからの空撮は国道を映し、猛スピードで道路を駆け抜けている赤い自動車を画面の中央に納めている。



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