621: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 20:32:31.53 ID:Wqc3ZOPPO
中野「ない……何も……」
空っぽの部屋を中野は茫然と眺めていた。コンクリートが打ちっぱなしになっている部屋は、佐藤が亜人たちを召集したホテルにある地下室だった。中野が入ってくるまでそこは音の無い部屋だった。床にうっすら積もった埃が空気の振動や振幅がいままで存在していなかったことを証明していた。
中野「ドラム缶に入れて、地下に置いとくって言ってたのに」
永井「バカだな。同じところに置いとくわけないだろ」
背後から永井がしゃべった。はじめから期待などしていなかったのか、無感動な眼で灰色の壁と床を視野に入れていた。呆れてすらいなかった。
中野「……バカって言うんじゃねえ」
落胆のせいか、中野が力のない声で反論した。
永井「バカだろ! 長距離移動のあげく佐藤のいたところに来たんだぞ。危険だろ!」
中野「危険とか関係あんのかよ!」
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