622: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 20:34:27.00 ID:Wqc3ZOPPO
怒鳴りあう声が壁にぶつかって跳ね返った。言い争いに発展しそうになったそのとき、永井のポケットのスマートフォンが着信を告げた。永井があわてて着信を確認する。
永井「よかった、待ってたぞ」
メールの送信先を見た永井はほっとしたようにつぶやいた。
中野「電源入れてんのか? それこそ危険なんじゃねーの? 逆探知的なの」
永井「ああその通りだ。あの村の人たちはよそ者が押し寄せてくるのを嫌うから、僕のことを黙ってる可能性はあるが、警察に伝わってたらこのケータイはヤバい」
中野の指摘に永井はうなずいた。
永井 (いちおう、北さんは自殺に見せかけたけど……)
永井「それに僕らの車は盗んだやつだろ。いつまでも乗ってられるもんじゃない。おまえは気づいてないようだけど、あの村を出た時点で追ってに見つかるのは時間の問題なんだよ!」
メールに添付されたPDFのダウンロードをもどかしげに待っている永井がいらだった口調で言った。冷静に状況を振り返れば振り返るほど、不利な方向へ進んでいるのがわかった。永井は中野を見た。具体的なことは理解できてないが、危うい状況のなかにいることは察しているようだった。
永井「危険はさけられない、重要なのは有意義な危険を冒せるかだ!」
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